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ゆとりの主張はそれゆえ、仕事外で個性的な人生を充実させる欲求ばかりでなく、自分らしい仕事がしたいという自然な希求にも根ざしている。
発言する「場」の問題労働者の仕事上の決定権についてはこのほか、以上のような現状の批判と改善の考え方を述べる場をどこに求めるかという問題が残っている。
批判や要求を一人ひとりが上司につきつけてみても、例外的に心の広い上司に例外的に不可欠の人材と目される部下がかけあうまれな場合を別にすれば、まずは空しい。
だから労働者の集団的な意志を示すなんらかの場が必要だ。
これが私のいう「集団レベルの問題」である。
労使関係論として述べれば、労働現場に近いレベルでの労使協議制が考えられる。
労働組合は狭義の労働条件だけでなく、仕事そのもののありかたにも発言してゆくべきだというのは私の年来の主張にほかならないが、とりあえずは既存の労使協議の場で、新技術の導入、要員と仕事量の決定基準などについて討議することはできよう。
現在では、この労使協議制を法制化して企業に義務づけようとする運動もある。
しかし、今のところは労働そのもののありように関する労使協議制での「付議事項率」は低く、労働者側の発言の程度はきわめてよわい。
法的に義務化されればかえって、協議事項が労働者側の対案提示のむつかしい抽象的なテーマに限定されるおそれもある。
日本の企業では仕事のありかた、進めかたに関する決定が「現場に降ろされている」とよくいわれる。
その正確な意味は、諸外国にくらべてこの分野での労使協定の規制が乏しいことを前提に、労働の具体的なありかたの決定責任が、経営のトップから職制が圧倒的なりーダーシップをもつ作業集団としての課や係へわりあい委譲されているということである。
これは断じてチームメンバーの多数を占めるふつうの労働者の発言権・決定権がつよいということではない。
作業集団でのオピニオンリーダーは、経営の目標達成への貢献度をもって彼らもまた査定されている課長や係長、製造長や作業長と、昇進が間近かな少数の精鋭従業員である。
公式的または非公式的な朝会や職場懇談会は今のところ、彼らの意思に対する一般労働者の黙従、またはつよがりにもとづく同意をとりつける場になっている。
しかしそうは言っても、労働者の決定権の危機、ゆとりの剥奪、なかま同士の競争の激化を招く能力主義管理が具体的に説明され、いちおうみんなに発言の機会を与えられるのが職場懇談会などである以上、やはりその場を重視せざるをえない。
その場を、平凡な言いかたながらなかまの連帯によって民主化し、「現場の決定」に「チームメンバーの討議による決定」の内実を与えること。
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